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心理指導担当職員のぼやき Vol.2 ~トークン法を考える~ 札幌市東区 児童発達支援・放課後等デイサービス てとり・てとりキッズ
僕たち心理士は様々な技法や、方法を使って見えない『心』に介入していきます。
その技法や方法は今も研究し続けられており、数えるのが大変な程です。
そんな中で僕が結構使うのが『行動療法』と呼ばれる手法の中でも、トークン法と呼ばれる技法です。
簡単に言えば、ターゲットとなる行動を強化したり、逆に消去するためにあれこれします。
これは、ある子の『がんばってるカード』です。
ターゲットとなる行動を具体的に示して、出来たら報酬としてのシールを与えることで行動を強化します。
シールが全部たまった際は…
その子の好きなキャラクター(これは呪術廻戦という漫画・アニメのキャラクターです)の手作りプラ板をあげています。
また、別の子にはプラ板を四つ切にし、ターゲットとなる行動(この子の場合は、『ボタンをつける練習をすること』がターゲット)ができたら一枚ずつ渡しています。
これを完成させたくて「練習を頑張る」と前向きに取り組んでもらえるようになれば成功です。
こういった事を『正の強化』と言います。
もちろん、『望ましくない行動』に対してターゲットを絞り、その行動を消去していくことも行動療法で使うときもあります。
ただ、僕は技法を使う前に、『望ましくない行動』をとってしまうその人の心を想像して、その心に寄り添える人間でありたいといつも思います。
そして、そういった人間関係が成り立って、初めて『望ましくない行動』を消去するための技法が役立つのではないかと思うわけです。
『正の強化』も同じだと思います。
このプラ板の報酬も、”何をもらうか” よりも ”誰にもらうか” が大事なのかなと思います。
日本臨床心理士会の会長に教えを頂いたときも「何をするかよりも、誰とするか」の重要性を説いていただきました。
「自分の好きな人が自分のために作ってくれた」
こんな嬉しいことはないですよね。
僕も学校の先生からもらう一言コメントとかが嬉しかったなぁ!!
自分のためだけに先生がちょっとした時間を使ってくれていた『ありがたさ』が心に染みます。
あの時はあれこれ文句垂れてばかりでゴメンナサイ…と頭を下げて歩き回りたいくらいです。
そんなわけで今日も僕は時間を見つけては描いています。
心理指導担当職員 松本
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