みんな
心理指導担当職員のぼやき VOL.11 ~ケーキの切れない非行少年たち~ 札幌市東区 児童発達支援・放課後等デイサービス てとり・てとりキッズ
お久しぶりの更新となってしまいました。
新学期早々に学級閉鎖の措置がとられ、「子どもを介して家庭感染が拡がっている」という見解も示されました。
そのような中、僕も二度目のワクチン接種を済ませました!
噂通り接種12時間後あたりから倦怠感と微熱が出て、24時間後には高熱に酷い倦怠感。
それにプラスして僕は吐き気・嘔吐でトイレに通いっぱなしでした。
そんな中で少しでも気を紛らわす(?)ためにある本を読んでいました。
それがこちら ↓
ずっと読んでみたいと思っていた本でしたが、内容は目を背けたくなる現実的な話が書かれていました。
内容は割愛しますが、筆者の宮口幸治さんは『認知機能』に着目しながら、非行少年とそうではない少年とで様々なデータを取って研究をしているようです。
その話が「そうかぁ…」と目から鱗だらけで、発熱しながらも勉強になりました。
てとり・てとりキッズのような、通所支援施設には『個別支援計画』に基づいた療育計画を立て、半年ごとに評価をすることが義務付けられています。
その『個別支援計画』は月一回に職員全員で会議をして作っているのですが、僕が大切にしていることは、①基本的生活習慣 ②身体機能 ③言語・認知 ④社会性 ⑤心理・情緒 といった5つの領域からアセスメントをしていくことです。
どれも全て繋がっていて、切っても切り離せない大切な領域です。
例えば…
③の言語能力がなければ、④の社会生活を営むためのコミュニケーションが生まれません。そうなってしまうと人との関わりの中で育っていく、⑤の情緒発達が滞ってしまいます。
このように点と点を結んで面を作り、面と面を繋いで立体的に物事を考えていくアセスメントの重要性を、学生時代に当時の日本臨床心理会会長であった村瀬嘉代子先生から学びました。(その辺りの話はまた機会がありましたら…!)
その中で僕自身も『認知』という部分への考え方や捉え方が不十分であり、苦手な部分でもありましたし、“ワーキングメモリ”という概念も何だかモヤっとしていました。
心理学業界では『認知行動療法』といった、認知と行動の両方を修正していけるような治療方法が主流となっていますが、この本に出合って「本質をよく理解していなかったな」と反省してしまいました。
しかし、この本を読んでから「なるほど!!そういうことだったのか」「あ!だから、こうなのか!」と③の認知面から、他の領域への点と点が結ばれて、面を作るきかけとなる気づきや発見が沢山あり、「これを上手く療育活動に応用できないだろうか」と考えています。そしてまだまだ勉強する価値がありそうだなとも思いました。
何やら続編があるようなので、こちらも時間を見つけて更なる知見を得たいと思います。
心理指導担当職員:松本